結婚式準備中

【利益か自由】結婚式における“持ち込み料”というグレーゾーンを解説

こんにちは。
ウェディングプランナーの保榮茂千賀(ほえもちか)ことChikaです!

今回は結婚式業界で問題になりがちな「持ち込み問題」についてご紹介します。

ご存知でしょうか?

もともと結婚式は、自宅でのお披露目会から始まりました。
衣装も食事も、誰を呼ぶかも、すべて両家で話し合って決めていたもの。
ところが、時代が進むにつれて“結婚式”はビジネスとしてパッケージ化され、
自由だったはずの選択肢が、いつのまにか「持ち込み禁止」「提携業者のみ」に。

本来、結婚式とは“自分たちが選ぶもの”だったのに。
いつから「選べない」イベントになってしまったのでしょうか?
結婚式は「誰のため」のものでしょうか?

この記事では「持ち込み料」の真実と、自由に式をつくるための考え方・注意点をお伝えします。

 

結婚式における“持ち込み料”というグレーゾーン

ウェディング業界では当たり前の「持ち込み料」ですが、

実は業界内でも賛否が分かれます。

私は、サービスを提供していないにも関わらず「持ち込み料」として発生する料金に疑問を感じます。

例えば、
①ヒキタク持込料
②カメラマン持込料
③衣装保管料

私がその疑問をSNSで投稿すると、同業者からは批判コメントが届きます。

「会社が利益を得られずに、雇用が守れなくなる。」と。

ですが、
結婚式は本来誰のためのイベントでしょうか?
その会社を存続させるために「新郎新婦」は結婚式を行うのでしょうか?

私は、「違う」と考えます。

持ち込み料の理由を尋ねても、納得のいく答えが返ってこないことがほとんど。
だって、「会社の利益を守るため」だなんて言えませんから。

プレ花、卒花が後悔した「持ち込み問題」
しかし、全てが持込自由だと思わぬ落とし穴が隠れていることも事実。
そんな「持ち込み問題」のメリットデメリットを解説していきます。

そもそも「持ち込み料」ってなに?なぜ発生するのか

「持ち込み料」とは、会場が紹介(提携)するラインナップ以外から自分達で選択し、
アイテムやサービスを外部手配をした際に発生する料金のこと。

①衣装
②クリエイター(カメラマンや司会者、ヘアメイクなど)
③引出物
④ペーパーアイテム

 

などがよく取り上げられます。

持ち込み料が発生する内部事情として、第一は「収益の確保」

会場提携業者のアイテムやサービスを揃えると、会場側は「紹介手数料」を得られます。

でも、新郎新婦が外部で手配をすることで会場側にはその手数料が入りません。

そのため、その収益を補填するために「持ち込み料」を設定しています。

また、「持ち込み料」を設定することにより、新郎新婦が総額を抑えるために外部業者を手配しようとする動きを抑制したい。というストッパーの役割を担っています。

実際に、持込料が高額なので提携アイテムから選ぶことにした。ということも頻繁に起こっています。

また別の理由としては、外部業者とは初めてタッグを組むことになるので、

会場側からすると「信用できるのかな」「何か不備があった時の対応が不安」など、

普段と違うストレスを抱えることになります。

だから、会場側からすると「持ち込み」=「避けてほしい」ものなのです。

その上で外部手配をするなら「じゃあお金払ってね~」というのが「持ち込み料」というわけです。

「自由に選べない」ことで生まれる新郎新婦のモヤモヤ

最初に開示されていない「持ち込み料」

「持ち込み料」がストッパーの役割を担っている。と表現しました。

あくまで、これは会場側の意見ですよね。

目線を変えて、新郎新婦からはどうでしょう。

なぜ自分たちの結婚式なのに、好きなものが選べないのか。

そんな風にモヤモヤ考えることになります。

特に、会場から紹介されるアイテムに魅力を感じない場合は最悪です。

「だって気に入るものがないのに、この中から選べなんて辛すぎる!!」と。

結婚式にまつわる情報は今やSNSで溢れかえっています。

卒花さんたちの投稿を見て、こんな風に自分達の結婚式に取り入れたい!

また、少しでも予算を抑えるために自分達で工夫を凝らしていきたい。と考える方も多くおられます。

そんな中、よく起こるトラブルは「開示されていない持込料の存在」です。

契約時に質問をしなければ、会場側から「持込料」についての説明はされません。

理由は明確ですよね。「持ち込んでほしくないから。」「聞かれなかったから。」です。

準備が進んでいくにつれて、「これは外部で手配します」と伝えると、

「持ち込み禁止」や「持ち込み料」についての説明を初めて受けることになり衝撃を受けることになります。

そのことに契約時にわかっていれば、準備の始め方も違ったのに。。と後悔される方は多いです。

ちなみに、この持ち込み問題は

消費者契約法 第10条が示す「不当な条項」に相当する場合があります。

「消費者の利益を一方的に害する契約条項は無効とする」

ケース 解説
式場が使わないアイテムに対して高額な「持ち込み料」を請求する 利用しないサービスに対して費用が発生するのは不合理で、消費者の利益を一方的に害する可能性
持ち込み料について契約時に十分な説明がないまま契約を進める 消費者の「情報の非対称性」を利用した不当な契約とみなされることがある
会場の提携業者を使うことを“実質的に強制”している 選択の自由を著しく制限しており、優越的地位の濫用と見なされる可能性も

消費者側が「不合理な制限だ」と訴えた結果、「独占的に業者を指定する契約は無効」と判断された判例も存在します。

契約時に説明がされている場合は、上記は当てはまりません。

また、違反したからといって逮捕されるわけでもありません。

まさにグレーゾーン。

 

セルフプランニングの限界

実際に、この持ち込み問題が嫌で、途中までセルフプランニングをされていた、私のお客様の例を出します。

◆海外出身の新郎&日本(関西)出身の新婦の国際結婚
◆セルフで手配済み|挙式会場・披露宴会場・衣装・フォトグラファー・ビデオグラファー・フローリスト

【問い合わせの内容】

自分達で自由に手配をして結婚式を行いたいと考えて、各ベンダーへは手配をかけています。
でも、当日までに準備していく段取りや当日のサポートをしてくれる人が必要だと感じました。
そのサポートをお願いできないでしょうか?

ほぼ最後にプランナーへ相談する。という事例は私は初めてのことでした。

初めからパックになっている日本の結婚式スタイルに違和感を持ったお2人でした。

自分達の結婚式なんだから、自分達で選択し出来る限り準備をしていきたい。とのお考えをお持ちです。

その上で、これ以上はサポートしてくれるプランナーを頼らないと難しい。と判断されご連絡をいただきました。

実際に、プランナーがついていなくても結婚式はできてしまいます。

ではなぜお2人はプランナー(私)へ問合せをしてきたのか。

 

 

それは、当日までの準備スケジュールや各ベンダーとのやり取り、当日新郎新婦に代わりセッティングやゲストの案内は自分達だけでは満足にできないと考えられたからです。

現在進行中で準備中なのですが、私との契約を交わした後の表情はホッとされたように見えました。

なぜなら、全てを自分達だけで抱える必要はなくなったのですから。

 

「持ち込み自由」は本当に“自由”なのか?プロが語る注意点

では、反対にどの会場も「持ち込み自由」になれば、やりたいことができて自由な結婚式ができるのでしょうか。

私は、その問題について少しお伝えしておきたいことがあります。

「持ち込み自由」=「会場は責任を負わない」となります。

これが意味することを解説していきます。

自己責任の落とし穴

持ち込むというのは、会場側はその外部業者がどのような方でも一切の責任を負いません
そのため持ち込む業者を自分達で見極める必要があります。

会場手配であれば、一定の基準や監督を会場側が行い何かトラブルがあっても会場側が責任を取りますが、自分で外部業者を手配するということは全ての責任が自分達にあります。

そのため以下のような問題が起きることがあります。

①安さ重視で選んだら、技術・対応力に大きな差があった
②他の業者との連携がうまくいかず当日混乱したケース
③自由=すべて自分で管理しなければならない、というプレッシャー

 

業者選びで後悔しないためのチェックポイント

持ち込んだから「うまくいく」という保証はどこにもありません。

持ち込む場合は、事前にその方とコミュニケーションを取り人柄や仕事への姿勢を

確認してください。

✅技術・対応・事前確認の姿勢
✅SNSの写真と実力の差に注意

実際に結婚式は大勢の方が初めて経験することです。
結婚式当日は「1日」しかないのです。

そのため、自分達だけでは他と比べることができません。

持込みという選択をされる方はこのポイントは押さえておいてください。

よく選ばれるSNSで評判のクリエイターや業者さん。

その中でも時に対応が微妙だったり、SNSに投稿されている写真と相違があることがあります。

理由としてSNSはたくさんの写真や映像の中から選りすぐって「良いもの」だけをアップすることができます。

素敵な過去事例は、何千何百組の中の奇跡の数組の場合もあります。

また、カメラマンやヘアメイクさんは、技術が上手でもコミュニケーション力が乏しく、

他のクリエイターやスタッフと連携を取るのが苦手な方も中にはおられます。

結婚式当日はにスタッフ同士で連携を取り協力する場面がいくつも存在します。

その際、あいさつもしない。自分の仕事しかしないスタッフがいる場合うまく連携が取れず、結婚式自体が円滑に回らないこともあります。

また、ペーパーアイテムやギフトの手配を依頼する業者さんもアフターケアまでしっかり

行ってくれるかをしっかり確認してください。

到着した商品に破損や個数間違いがある場合、迅速に対応してくれるのか。

要チェックです。

「自由=すべて持ち込む」ではない

先述したように、「持ち込む」ということは自己責任となります。

そして、会場手配のアイテムが全てダメ。ということもありません。

柔軟な気持ちで、色々な情報や、アドバイスを聞きながら「自分達で納得して選択する」と

いうことがよいですね!

後悔しないために——式場選び&プランナー選びの視点を変える

後悔しない結婚式にするためのポイントはこちら

✅持込の可否は、初回見学で要確認!
✅提携業者を選択するメリットも確認して!
✅自分達で判断に迷ったときは、プロのセカンドオピニオンを
✅フリープランナーに依頼するという選択肢を持つ

また、SNSの情報をうのみにせず、実際に自分で連絡を取って確認することはとても大事です!

まとめ|「誰のための結婚式か」を見失わないで

業界の構造に振り回されず、自分たちの意思で決めていくことが大切です。

結婚式は、

お金をかけたから有名な結婚式場を選んだから

有名なクリエイターさんを持ち込んだからといって

それだけで素敵なものになるわけではありません。

自分達が納得して選択し、「何のために」結婚式を挙げるのかを見極めていくことが大切です。

素敵な結婚式になることを応援しています。

もし持込みについて気になることがあれば公式Lineからお気軽にご相談ください♡

Chika

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